2010年12月アーカイブ

いったい「人間の第三の状態」とまで言われるこのREM睡眠は、どのような意味をもち、何のために在存するのか・・・


それこそ私達が1番知りたがっていることがらです。


また、羽毛 掛け 布団などの寝具と睡眠の関係はどうなっているのでしょうか。


この重要な秘密をさぐろうとして、多くの学者が「断REM実験」と呼ばれる研究を開始しました。


つまり、脳波をにらんで、今まさにREM期に入るサインが脳波上にあらわれんとするとすぐにベルを鳴らすか、またはからだを揺すぶって、睡眠を中断するのです。


また、より正確に、かつ充分にREM期を取り除くために動物実験も行なわれました。


それは主としてネコを使うのですが、ネコを踏み車にかけてグルグルと踏ませるか、または貯水タンクの中の岩の上にネコを坐らせます。


そうするとネコは普通の睡眠はとれるか、REMに陥ろうとすると筋肉が脱力して車を踏みはずしたり、また水中に落ち込みそうになるから、ハッと気がつきます。


・・・そうすると、睡眠時間をいろいろに変えてみても、REM期の全時間数はほぼ一定に保たれます。


したがって、睡眠時間が短くなるほどREM時間の比率が大きくなるということは、REM睡眠の方が普通の睡眠より優先的で、取り去り難いことを示しています。


進化の時間の流れは不可逆的です。


そのため、いったんできあがった睡眠が無用だとして、これを捨て去るにも、また長い時間をかけてすこしずつ変えていかねばならないでしょう。


しかし、睡眠という生存技術は完成してしまったわけではありませんから、これからも流動的に改善されていくでしょう。


また、新しい技術をも追加し、それによって未来の高等動物の生命が保証される、ということになるのではないでしょうか。


つまり、高級 羽毛 布団も睡眠も、今後もっと進化するのです。


ですから、未来人の眠りにはいくつもの可能なパターンがあると思います。


・・・現代は、不眠を過度に気にする人がもっとも多い時代といえましょう。


発達した脳の所有者となったヒトは、その巨大な脳ゆえに睡眠を必要としたわけです。


しかし、その高度の知能をそなえた脳ゆえに悩みを知り、かえって眠れなくなりました。


悩むことこそ人間らしいとみなすならば、不眠はまさに人間の人間らしさのあらわれでしょう。


高い知性、繊細な神経、明日を予見する能力を、不眠によって証明しているようなものです。


しかし、その程度のものは病気ではありません。

省エネルギーのため、任意の時刻に「準活動低下状態」をつくり、エネルギー消費の多い大脳の活動を低くし、筋肉をかなりの程度まで弛緩させること・・・


これが、合理的な解決策になったものでありましょう。


ノンレム睡眠はこうして開発されたものではないでしょうか。


「覚醒機構に準ずるもの」として見なおされたのが、レム睡眠ではないか・・・と考えていることは、すでにふれたとおりです。


こうして「睡眠」は、もっとも高等な生命体のもつ、たいせつな生存のための生理機能へと進化してきたのだとみなせます。


この進化の時間を逆に辿ると、あたかも決定論的な方向づけがあったようにみえます。


しかし、あくまで「死にもの狂い」の努力の結果として、たまたま生まれてきた合目的性の高い適応機能である・・・ということになるのではないでしょうか。


こうしてできた睡眠も条件しだいでどんどん、いろいろな方向へ変わります。


ですから、一口に羽根 布団での睡眠といっても、動物の種類や年齢や生態条件や季節などに依存するバラエティがあるわけです。