脳内に自分だけの時計がある

空腹で時刻がわかるという、いわゆる「腹時計」も、生物時計の指令のもとに活動していますが、私たちの体内時計はほんとうは脳のなかにあります。

ですから、「脳内時計」と呼ぶことができるでしょう。

でも、脳のない植物や、単細胞の下等動物も生物時計をもっています。

細胞の基本となる設計図つまり遺伝子のなかに、生物時計がちゃんと組み込まれているからです。

最近になって、生物時計の研究はたいへんさかんになり、「時間生物学」という専門分野ができあがっています。

生物時計のはたらきのため、薬の効果や治療の成果などが時刻に左右されることがありますから、医学の領域でも、体内時計のしくみが真剣に考慮されています。

ジェット機で大陸間を飛行する旅行者や交替勤務のシフトワーカーの数は年ごとにふえ、時差ぼけの対策にはますます関心が集まってきました。

そんなわけで、体外の時計とともに、羽毛 フトンで眠ったり、食事のタイミングをコントロールする体内の時計をうまくはたらかせることが、現代社会で生活するのにたいせつな条件になっているのです。